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新しい和文誌「タイムカプセルの開き方 博物館標本が紬ぐ生物多様性の過去・現在・未来」(種生物学研究 45号)を 2024年10月4日に発行しました

お知らせ 2024年10月09日

博物館標本の分子情報の活用について紹介した新しい和文誌

「種生物学シリーズ タイムカプセルの開き方 博物館標本が紬ぐ生物多様性の過去・現在・未来」中濱直之・中臺亮介・岩崎貴也・大西 亘 責任編集 / A5判 / 248ページ ISBN 978-4-8299-6212-1  定価3,300円(本体3,000円+10%税)が文一総合出版より2024年10月4日に出版されました。
https://www.bun-ichi.co.jp/tabid/57/pdid/978-4-8299-6212-1/Default.aspx

書籍の内容

 本書籍は、博物館などに収蔵される生物標本の分子情報 (DNAや安定同位体など) の研究手法や研究事例を紹介したものとなっています。
 国内で新進気鋭の研究をしておられる研究者の方々に執筆をお願いし、標本の分子情報を用いた興味深い研究がたくさん掲載されています。
 また第2部では具体的な研究手法も掲載しましたので、標本の分子情報の利用を今後検討されている研究者や学生の方の入門書としても使用できる書籍となっております。今後この書籍がきっかけとなり、博物館の生物標本が遺伝資源としても大きな役割を持っていることをを世間的に広く認知されれば、責任編集一同とてもうれしく思います。

目次
第1 部 標本から新しい事実が明らかに!
 第1 章 標本DNA 情報からひもとく絶滅危惧チョウ類の栄枯盛衰と保全 中濱 直之
 第2 章 博物館標本から稀少種の過去を探る 表 渓太
 第3 章 昆虫の標本DNA による分子系統解析 長太 伸章
 コラム1 次世代シーケンサーを用いた海藻類のタイプ標本の遺伝子解析 鈴木 雅大
 第4 章 古代DNA で探る縄文時代の鯨類の遺伝的多様性 岸田 拓士
 第5 章 博物館に収蔵されている植物標本のDNA バーコーディングへの活用 遠山 弘法
 コラム2 昆虫のDNA バーコーディングとその利用 岸本 圭子

第2 部 貴重な標本から情報を取得する方法
 第6 章 標本DNA の活用法 伊藤 元己
 第7 章 標本を対象としたシーケンス解析 兼子 伸吾
 第8 章 標本DNA におけるマイクロサテライト解析の手法 中濱 直之
 コラム3 博物館標本を用いた同位体分析研究 松林 順
 第9 章 標本DNA からMIG-seq でゲノムワイド変異を調べる 岩崎 貴也
 第10 章 ターゲットキャプチャー法による遺伝情報の収集 中臺 亮介
 第11 章 少数個体のゲノム全長に基づく集団解析 岸田 拓士
 第12 章 DNA を長期保存する昆虫標本の作製手法 中濱 直之
 第13 章 植物標本の非破壊的DNA 抽出 杉田 典正
 コラム4 Museomics をとりまくデータベース 仲里 猛留
 コラム5 ミュゼオミクス時代の博物館とその役割 大西 亘
 第14 章 標本のミュゼオミクス的利用について 岩崎 貴也・大西 亘